■ 7月
東京都教育委員会、4年連続、JTA全日本大会後援の意義


東京都教育委員会による第16回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会の後援が決定しました。
これで2002年の第13回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会後援以来、4大会連続の後援となります。
その意義は次のとおりです。
 
たとえば、「新しい国家」が創建された場合、
「国家」としての正統性および正当性は、第三者的な「既存の国家」による承認=国交樹立によって担保されます。
 
国家とは規模はまったく異なりますが、新しい組織を創立する際、
当該組織に対する第三者からの承認というのは、当該組織のあり方を問う上で大変重要な要件だと考えます。
 
わたしたちは、21世紀を迎え、「日本テコンドー協会(JTA)」という新しい武道団体を創立しました。
2000年からすでに所属していた「日本国際テコンドー協会(JITF)との話し合いを開始しております。
JTA代表者・河明生は、約20年間も日本というテコンドー不毛の国で、テコンドー普及をはかってまいりましたので、穏便に分離することを望みました。
 
2001年3月20日、第3回関東テコンドー大会(川崎市立体育館)終了後、
河明生は、日本国際テコンドー協会責任者・黄進氏に対し、
「日本国際テコンドー協会の下部組織として、打撃系格闘技界で強さを認知されるフルコンタクトテコンドーを展開したい。
下部組織として認めてくれるのなら、上納金に相当するものは従来通り納める。      
下部組織であっても別組織なのだから問題となっている川崎道場問題(川崎武田道場の前にPが道場を出した問題)も解決する。 
この件に関しては、あなたと私の共通の知人であるTBSのF氏に仲立ちをお願いしてある。
 
仮に、下部組織案が無理でも、立つ鳥後を濁さず、他の支部長・責任者・有段者の引き抜きなどはしない。
河門下だけでがんばる。ただし、河門下の支部長1名だけは行動を共にはしないと思うので、よろしく頼みます。
また、一般生徒の中でITFに残りたいという生徒がいれば、引き留めはしないのでよろしく頼みます。
  
いずれにせよ河門下は全日本大会に入賞できる有力日本人選手が多数いるので、
約2ヶ月後の5月6日・第12回全日本大会と夏の世界大会終了後、どういう形であっても貴会から完全に分離します」という意思表示を伝えました。
 
結局、第12回全日本大会終了後、不本意ながら、もめたわけですが、古巣から非難されることは、ただの一つもありません。
  
JTAという新しい組織として重要だったのが、
1)有力選手の求心力を保つための「独自の第13回全日本テコンドー大会の開催」であり、
2)「第13回」を名乗る以上、必要不可欠な当該大会に対する上記に値する第三者からの正統性および正当性の承認でした。
  
上記1)については、(株)東京ドームの好意で格闘技の殿堂「後楽園ホール」を借りることができました。
問題は、上記2)でした。
 
そこで重要だったのが、第8回全日本大会から後援している東京都教育委員会でした。
東京都からの後援(東京都は、通常、東京都、東京都教育委員会のダブル後援はしない方針)は、申請した団体はわかると思いますが、最初の後援承認が大変難しい。
まさに「厳しい戦い」といえました。
  
書類はすべて河明生が作成しましたが、問題は誰が交渉に行くのか、ということでした。
次の故事を参考にし、理事・盛島一盛を選び、1人で東京都庁に赴き交渉するようにしました。
 
日本最大の合戦・関ヶ原合戦の前哨戦で、疑心暗鬼となっていた東軍諸将をふるい立たせたのは徳川家康の旗本・村越茂助でした。
普通は、弁が立つ策士を派遣するのですが、徳川家康は、頑固で策を弄さない実直でまじめな男を自分の使者に選んだのです。
これが功を奏し、東軍諸将の戦意が高揚し、西軍の重要拠点だった岐阜城を落とし、その勢いでバラバラだった東軍諸将がまとまり一丸となって関ヶ原合戦に臨んだのでした。
 
つまりは、厳しい戦いの時には、あれこれと策を弄せず正確な事実と主張を誠実に力強く相手に伝える、ということが重要だと思います。
(これは経営者にも言えることで、起業時の決算書や経営ビジョン等でウソばかりつく者は、成功できません。
優れた銀行家や投資家、成功している企業家・経営者等にはウソは通用せず、したがって人物を値踏みされ見放されてしまうからです)
 
「ここは、ストレート勝負。盛島しかいない」ということで、盛島理事は一人で東京都庁に赴くことになり、JTAの過去の実績と主張を実直に訴えたのでした。  
結果として盛島一盛はまさに適任で、この後援は疑いもなく彼の功績です。
 
東京都教育委員会は、JTAが2002年に主催した「第13回全日本テコンドー大会」を後援してくれました。
つまり第三者の立場にある東京都教育委員会=東京都が、JTA主催の「第13回全日本テコンドー大会」を後援した意義は、
JTAの組織および「第13回大会」としての正統性および正当性を認めたということに他なりません。
 
あれから約4年。
東京都教育委員会は、4大会連続してJTA主催の全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会を後援しております。
JTA活動当初、イサミの専務から「3年持たない武道団体が多い。3年が一つのヤマです」と言われましたが、
すでにJTAは、4度目の全日本大会を主催し、継続的に東京都教育委員会から後援を受けておりますので、
「フルコンタクトテコンドー」というまったく新しい格闘技ルールが定着したといっても過言ではないと考えます。