■ 1月  2009年

水野健彦(神大テコンドー部OB会第9期生)、公認会計士合格


  2009年1月11日(日)ポートヒル横浜において開催された
  神奈川大学体育会テコンドー部OB卒部生祝賀会の席上、
  同OB会会員の水野健彦(第9期生・横浜校、初段)の
  最難関の国家資格の一つ・公認会計士試験合格が報告されました。

  万雷の祝福の拍手の中、水野は、謝辞を述べるとともに
  「都会での受験生活は、経済的に苦しく、大変でしたが、
   親の理解と協力を得て、地元に帰り、通信教育で合格しました。
   最後まで諦めずにがんばったので、合格できたと思います」
  と自己の受験生活を振り返りながら
  後輩達に「継続こそ力なり」を熱く語りました。

  河明生神大OB会長談
  「10年以上も前、慰労の酒の席で、
   3年だった水野が「将来、公認会計士になりたいです」と抱負を語ったことを覚えています。
   私は「そうか。がんばれ。ただ、税理士も視野に入れたらどうか」と応じたことがあります。
   以来、水野は初志貫徹し、公認会計士に合格したので、大変嬉しく思います。
   神大出身者の公認会計士合格は、年に1〜2人程度だと思われますので、
   テコンドー部から輩出できたことは意義が高い。
   しかし、私が水野を在校中、可愛がっていたわけではありません。

   神奈川大学体育会テコンドー部が、創部以来20年間世に送り出した卒部生は、200名を超えます。
   初期の卒部生は、40歳となり、親となり、人を束ねる責任あるポストに就いてきましたので、
   長くなりますが、今回の慶事にあたりメッセージを贈りたいと思います。 

   昔の神大テコンドー部は、いまよりはるかに厳しく指導しておりました。
   しかし、高次元なことを求めたわけではありません。
    ー幸せになりたければ、向上心を忘れず、才能が足りないのだから努力=練習を怠るな、
   それのみ。

   神大は、昔も今も、1年次は素人集団。
   高校時代にまともな部活を経験していないのが多く、体育会そのものに免疫がない部員が多かった。
   体育会であるにもかかわらず「練習に出ろ!」と指導する有様でした。
   高校時代の大会成績で推薦等で入学し、
   箱根駅伝やプロ野球を目指して入部する部員を確保できる陸上部や野球部とはスタートから違ったわけです。

   水野もよく練習をさぼるので指導し、3回ほどその場で泣いたことを覚えています。
   水野によると「影でたくさん泣いていました」とのこと。
   それはまったく知りませんでしたが、
   水野の場合、体育会本部役員(箱根駅伝等を応援)も兼務しており彼なりの理屈があっても当然だと思う。

   しかし、強い選手、強い体育会を育てるためには「秩序」が不可欠。
   例外を認めると絶対強い選手、強い体育会は育ちません。
   ちょうどそれは、白い布地に黒いインクをこぼすのと似ている。
   黒が白い布地にしみ込んで白の美しさがなくなってしまう。
   つまり黒をそのままにしておくと、
   向上心をもち努力しようとする部員(白)が、そうでない者(黒)に汚染されてしまうということです。
   多くの人を束ねより高い次元に集団を率いることを経験していない「素人」はこれがわかっていない。

   「素人」の特徴は、あれこれ自分の都合を優先し練習をさぼる。 
   才能が足りないのに努力しないで、「うすっぺらい結果」だけを求める。
   いつしか向上心が蒸発し、厳しい練習を要求される試合からは逃げるようになる。
   それなのに、後輩を「指導」しようとする。
   それはひとえに自分にとって心地よい人間関係、とくに自分を尊重してくれる後輩関係を保つことで、
   精神的な安定を求めようとする、と私はみなしております。   

   神大テコンドー部はもとよりJTAは、「テコンドー・バカ」を育てているわけではありません。
   JTA七大精神に明示してあるように「文武両道」を掲げる希少価値の高い武道団体です。

   若い頃は、経験そのものも浅く、学校でならった机上の空論だけで知識も陳腐。
   わからないことが多く、不満だらけでクサる危険性が高い。
   他方、若い頃は、人生の中で最も体力があり、しかも寿命的に可能性がある。
   だからこそ体を鍛えることで精神を鍛える=胆力を鍛える必要性がある、と私は信じて疑いません。
   私の経験上、「やさしい先生」から学んだことは、まったく社会に出て役立っておりません。
   むしろ「厳しい先生」から学んだことが、社会に出て役立っております。
 
   もとより水野の合格は、水野本人の努力の賜ですが、
   その努力を支えたであろう「諦めないで努力する精神」の涵養に、
   神大テコンドー部が多少なりとも影響を与えたことにつき、私は喜びを感じております。

   若い頃は、武道で精神を鍛え、逆境に負けない胆力を養うべきです。
   人間の真価は、逆境時にあらわれる、と考えます。
   学問ではなく「受験・試験勉強」ばかりしている者は、胆力が足りない。
   だから逆境に遭遇すると、マニュアルにないので有効策をうてずにひたすら「逃げる」と思います。
   現代の政治・行政の世界をみれば明らかでしょう。 

   以上の教育的信念にもとづき指導してきた結果、水野等を泣かせてきたわけです。
   当然、水野は私を恐れており、もしかすると「嫌われている」と思っていたかも知れません。
   OB会費はおさめていたものの過去1度しかこの会に参加したことがなく今回も欠席のはずでした。
   
   しかし、OB会事務局長・岩下を通じて私の意思を水野に伝えました。
     ー卒業後、10年間、OB会費を納めてきたということは、母部愛があるということだ。
      初志貫徹で10年もがんばり結果をだしたのだから、胸を張ってOB会に参加し合格報告しなさい。    
      不詳河明生、行動でしか人間を判断しない。
      昔、散々叱ったからと言って教え子を嫌うというチャチな男ではない。
      よくがんばった!、と心から祝福したい。
      OBの皆も喜ぶに違いないし、現役部員にも良い刺激になる云々

   久々に、水野と再会すると良い顔でした。
   幸せを実感している教え子の表情に接するのは、大変、心地よいものです。
   水野には、「これからが本当のスタートだぞ。立派な公認会計士になれ!」と激励しました。

   もしこの記事を読んでいる神奈川大学テコンドー部OB、のみならず元JTA会員が、
     ーJTAに戻ってもう一度鍛えなおしたい!
     ー神奈川大学テコンドー部OB会に戻りたい!    
   と欲するので有れば、いつでも戻ってきなさい。
   過去よりも、未来が大切です」