JTAの目標は、全日本大会を通じてフルコンタクト空手に勝るとも劣らない日本テコンドー=フルコンタクト・テコンドーを確立することにある。
その母胎となっているのは、韓国発祥のテコンドーである。
テコンドーは「足のボクシング」という異名を得ている。
当然、「全日本テコンドー大会」と呼称される試合で観客が期待するのは、華麗な蹴り技の応酬である。
ところが、仮に蹴り技には何ら光るものがない選手が、フルコンタクト空手同様、突きと回し蹴りだけで優勝したとするならば、果たして当該選手は、真正な「テコンドー全日本王者」といえるのであろうか。その選手の身内を除いた大部分の観客は納得できないだろう。
ちょうどそれは、たとえていうなら、ニューミュージックを聴くためにコンサート会場に集まった観客が、演歌を聴かされることに等しい。
仮に演歌歌手の歌唱力が優れていたとしても観客は満足できないはずだ。
なぜならば、観客は演歌を聴きに来たわけではなく、ニューミュージックを聴きに来たからである。
JTAは、新しい技術的指導理念・蹴美(華麗で美しい威力のある蹴り)を標榜する「ニュー武道団体」であり、全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会は、選抜選手による優れた蹴美の「競演」を目指している。
かかと落としなどの縦系の蹴り、後ろ回し蹴りなどの回転系の蹴り、跳び後ろ横蹴りなどの跳び蹴りの応酬である。その実現こそが「オンリー・ワンの全日本大会」への発展を確実なものにする。
とりわけ本会の頂点に立つ優勝者には「最高の蹴美」が要求される。
「最高の蹴美」を演じた優勝者だけに「蹴美・宗師範賞(奨学金20万円)」が与えられるのである(優勝者の蹴美が足りない場合、奨学金は半額に減額)。
日本には、大小1000程度のアマチュア打撃系武道団体があると言われている。
その中、フルコンタクト・ルールでの蹴美の「競演」志向という明確で個性的な大会コンセプトを有し、
しかも格闘技の殿堂・後楽園ホールのリング上においてそれを実現しようとしているアマチュア打撃系武道団体は、我がJTA以外にはない。
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