第20回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会の見所


1,無差別級組手の見所

鈴木雅博(神大湘南体育会テコンドー部)が、
尾崎圭司(2007年K−1MAX ・JAPAN第3位。第13〜14回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会2連覇)や
齋藤 健(2009年度第20回新空手全日本大会・K−2グランプリ優勝、2008年度KAMINARIMON70kg級優勝等、
第15〜17回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会3連覇)
以来の2連覇達成を果たせるか否かに注目したい。

鈴木は神大卒業後、
尾崎や坂本洸巳(2008年度J−NETWORK最優秀新人王、第17回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会第3位)同様、
プロキック界に進出し、K−1ライト級等を目指す。
2連覇を達成すれば、本大会がアマチュア最後の大会となる可能性があり、有終の美を飾ろうと闘志満々である。
第20回全日本FT大会のシード権を獲得しているにも拘わらず、予選会の大部分に出場し、連戦連勝、そのすべてで優勝している。
蹴美(シュウビ。華麗で美しく威力のある蹴り)に磨きがかかり、相手の蹴りを見切る防御能力もレベルアップしている。

しかし、2連覇は容易ではない。
試合巧者のベテランや有望な新人が立ちはだかるからである。

まず1回戦の巨漢・趙哲来(福岡博多テコンドークラブ。第17回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会準優勝)戦。
趙は準優勝経験を有する全日本FT大会常連のベテラン。
182cm・110kgから放たれる蹴りと突きは、166cm・65kgの鈴木には脅威となる。
柔よく剛を制する優れた組手技術に期待したい。

順当にいけば、2回戦で川崎一輝(神大横浜体育会テコンドー部、初出場)、
準決勝戦で八幡直明(神大湘南体育会テコンドー部、初出場)と対決する可能性が高い。
強烈な蹴りをもつ川崎とテクニシャンの八幡は、将来のJTAを背負う期待の新人である。
とくに、八幡は鈴木を研究しており、昨年度の予選会では鈴木を破る金星を上げている。鈴木にとっては嫌な相手だ。
ただ、八幡のブロックには、好調な小山恭弘(横浜鶴見テコンドークラブ)がおり、波乱が起きるかも知れない。

決勝戦の相手は、井上鉄朗(千葉船橋テコンドークラブ、第16回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会準優勝)と
古谷知也(高知テコンドークラブ、第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会3位)の勝者となる可能性が高い。
両名とも蹴美の名手であり、全日本FT大会入賞常連のベテラン選手である。
いずれも強敵であり、鈴木よりも体格的に優れている。
油断できる相手は一人もいないのである。

本大会は世界のテコンドー界の中で唯一の無差別級のトーナメントである。
小兵の鈴木が、蹴美の技で体格的劣勢をはねのけて2連覇を達成し、真のJTA最強王者となれるか否かが最大の見所である。



2,女性部無差別級の見所

女性部無差別級組手は、少数激戦となる。
高橋三恵(東京港テコンドークラブ)が2連覇を達成できるか否かに注目したい。

しかし、江川沙織(横浜鶴見テコンドークラブ、第18回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会女性無差別級優勝)や
松兼ひとみ(東京港テコンドークラブ、第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会女性無差別級準優勝)の
JTA女子3強の実力は拮抗しており、2連覇は容易ではないだろう。



3,蹴武の型試合の見所

最近、JTA傘下の地方クラブにおいて蹴武の型のレベルが急激に上がり、その結果、過去最高の16名が選抜された。
Aブロック〜Dブロックの4ブロックにわけてそれぞれブロック勝者を決定し、
勝ち残った4名で決勝戦を戦うことになる。
指定型は柳韓(ユーハン)である。

植田博和(東京江東テコンドークラブ、第19回全日本FT大会型優勝)の実力が安定しているが、2連覇は容易ではない。
植田に立ちはだかるのは、
野村修一(岡山備前テコンドークラブ、第19回全日本FT大会型準優勝、JTA蹴武型ランキング第1位)と
高橋佑輔(高知テコンドークラブ、JTA蹴武型ランキング2位)、
廣川禎教(長崎佐世保テコンドークラブ、JTA蹴武型ランキング3位)だろう。

JTAの全日本大会型試合は、世界の武道で唯一の男女混合試合である。
蹴り技主体の型=蹴武型のチャンピオンの決定も本大会の見所である。