JTA中級応用約束組手・異種足技複合(6〜10) 紫帯(4級)教程        宗師範 河 明生 T、約束組手総論(*「約束組手総論各論」から抜粋) 約束組手の目的 1)チルギやチャギ、それに対するマッキなどの各種テコンド−動作を学ぶ。 2)テコンド−動作を合理的に修得するために必要な   @呼吸法を学び、   A集中力を高め、   B胆力を養い   C筋力の緊張・弛緩使用法を訓練する。 3)自由組手を行うための基礎を養う。とくにケガをしないための防御の修得を重視する。 4)不測の事態にそなえた正当な自己防衛のための訓練を行う。   @慌てず冷静に対処するため訓練する、    A人間の各種急所を憶え、そこへ正確な手技・足技を攻撃できるよう訓練する。 約束組手の要点 1)相手から視線をそらさない。 2)移動の際、自分の体重を支える正しい姿勢・立ち方で、各種攻撃と各種防御を憶えること。 3)攻撃や防御の瞬間は、使用すべき筋力を緊張させ、それ以外は弛緩状態にすること。 4)上記の動作はすべて腹式呼吸をベ−スにした呼吸法で行い、動作の際、瞬時に息を吐くこと。 5)威力を高まるため攻撃・反撃の際、気合いを入れること。練習・訓練で気合いがでなければ、   試合や正当防衛の実践では、気合いがでることはない。   また気合い(大声)を出して練習することは、ストレスの発散にもなるので、恥ずかしがらず   挑戦し、慣れること。 U、約束組手各論 4、中級応用約束組手・異種足技複合(6〜10) 目  的−「直線系の蹴り」、「回し系の蹴り」、「回転系の蹴り」、「縦下ろし系の蹴り」などの       異種の蹴りを複合した「足技連打段差攻撃」を修得する。       上記、異種の蹴りの複合連続攻撃に対する「かわし防御」という移動防御を修得する。 動作基本−   攻撃側は、あらかじめ定められた足技・蹴りを右足、左足の順に連続攻撃する。進行方向は前進。   防御側は、それを定められたマッキで受け、手技または足技で反撃を行う。   防御側の立ち方(各種立ち方使用)と、進行方向(前後、左右、斜めに移動防御)は一定しない。 準備動作−攻撃側は、定められた第1動作の足技・蹴りを右足で攻撃する姿勢を保つ。      防御側は、その蹴りを定められたマッキにより受ける。     攻撃側は右手右足を引きパカパルモッ・ナジュンデ・マッキ(下段払い)で構える(気合)。     防御側は下げた足を元に戻すと同時に、ヘチョ・マッキ(十字払い)で構える(気合)。 要  点 1,攻撃側要点 @「足技連打段差攻撃」を修得する。 「足技連打段差攻撃」とは、自由組手における連続蹴り攻撃のパタ−ン、  すなわち正面攻撃の「直線系の蹴り(アッチャギ、ヨッチャギ、ヨッチャ・トゥルキなど)」から 横攻撃の「回し系の蹴り(トルリョチャギ、変則トルリョ・チャギ、コロチャギなど)」を蹴ったり、 横攻撃の「回転系の蹴り(トラ・ヨッチャギ、パンデ・トルリョ・チャギなど)」から 縦攻撃の「縦下ろし系の蹴り(ネリョチャギ、アヌロ・ネリョチャギ、パクロ・ネリョチャギなど)」 を蹴るという異種系統の蹴りを複合した段差連続蹴り攻撃のコンビネ−ションをいう。 A難易度の高い蹴り技を修得する。とくに軸足を横に移動させて「回転系の蹴り」を蹴る方法を学ぶ。  その効果は正確な蹴りの修得を可能とし、中級者の腰の負担を軽減することにある。 a)ヨッチャ・トゥルキ(横前蹴り、6番、7番)  b)軸足斜め移動トラ・ヨッチャギ(後ろ横蹴り、7番)  c)パンデ・コロチャギ(後ろ掛け蹴り、8番)  d)軸足横移動トラ・ヨッチャ・トゥルキ(後ろ横前蹴り、9番)  e)軸足横移動パンデ・トルリョチャギ(後ろ回し蹴り、10番) 2,防御側要点 @「かわし防御」を修得する。それは攻撃側の攻撃に対し、防御側が、前後・左右・横に身体を移動  することで蹴りをかわし、またはその威力を軽減させるという移動防御をいう。 A難易度の高い手技・防御と反撃技を修得する。 a)移動アンヌン・ソギ+右ソンカル・マッキ+左チルギ(6番)  b)移動ニウンチャ・ソギ+流し受け+半屈伸上下運動・右ソンカル・テリギ(7番)  c)サン・パルモッ・モンチョ・マッキ(双手縦受け、8番)  d)移動ティッパル・ソギ(奥足立ち)+パルモッ・テビ・マッキ(双手対比受け)、   踏み込んでキョチャ・ソギ(交差立ち)+トゥン・チュモッ・アッテリギ(裏拳添え打ち、8番)。  e)サン・ソンパダッ・ネリョ・マッキ(双手掌底受け、9番)  f)回転移動トラ・ヨッチャギ(10番) 6)中級応用約束組手6番(紫帯教程) 準備−@防御側→ナラニ・ソギ(平行立ち)。    A攻撃側→防御側の中段「みぞおち」に右ヨッチャ・トゥルキを蹴る姿勢。    B防御側→(右足を下げて)左半前屈立ち         +キョチャチュモッ・カウンデ・マッキ(中段十字受け)で受ける(間合い調整)。   C攻撃側→(蹴り足・右足を引き)左半前屈立ち                             +左パカパルモッ・ナジュンデ・マッキに構える(気合)。    D防御側→(下げた右足を元に戻すと同時に)ヘチョ・マッキに構える(気合)。 動作−@攻撃側→防御側の「みぞおち」に右ヨッチャ・トゥルキを蹴る。    A防御側→キョチャチュモッ・カウンデ・マッキで受ける(左足軸足・右足後進、右半前屈立)。    B攻撃側→防御側の右「横顎(または、こめかみ)」めがけ、                       左・中上段(または上段)トルリョチャギを蹴る(気合)。    C防御側→(左足を引き、左手を左側の帯の位置へ引き、右手・手刀を左胸に引きつけ、          左斜めに両足を移動させて)、アンヌン・ソギ(半騎馬立ち)、         +(攻撃側の蹴りの打点の高さに合わせて)右ソンカル・マッキで受け、     反撃→(その防御と同時に)左手で攻撃側の「顎」に向けて左・中上段チルギを突く(気合)。 7)中級応用約束組手7番(紫帯教程) 準備−@防御側→ナラニ・ソギ    A攻撃側→防御側の中段「みぞおち」に右ヨッチャ・トゥルキを蹴る姿勢。 *中級6番同様    B防御側→(左足を下げて)左ニウンチャ・ソギ(半後屈立ち)         +右パルモッ・ネリョ・マッキ(中段下ろし受け)で受ける(間合い調整)。    C攻撃側→(蹴り足・右足を引き)左半前屈立ち                             +左パカパルモッ・ナジュンデ・マッキに構える(気合)。    D防御側→(下げた左足を元に戻すと同時に)ヘチョ・マッキに構える(気合)。 動作−@攻撃側→防御側の中段「みぞおち」に右ヨッチャ・トゥルキを蹴る。   *中級6番同様    A防御側→右パルモッ・ネリョ・マッキで受ける(左足後進、左後屈立ち)。    B攻撃側→(蹴った右足を軸足・左足の前方左斜めに移動し、次の動作・蹴りの軸足とし)           防御側の中段めがけて左・中段トラ・ヨッチャギを蹴る(気合)。    C防御側→(右足を軸足とし、左足を大きく右45°斜め前へ円心移動させると同時に、            右足・踵の方向を右45°へ転換させて)、         左ニウンチャ・ソギ+(それと同時に、右手で)右・中段流し受け、     反撃→(立ち方はそのままで、両膝の半屈伸上下運動の力を利用しながら、瞬時に右手で)         攻撃側の「首側面」に向けて、右ソンカル・テリギを打つ(気合)。     8)中級応用約束組手8番(紫帯教程) 準備−@防御側→ナラニ・ソギ    A攻撃側→防御側の上中段(または上段)の「顎(または、こめかみ)」に右トルリョチャギ         を蹴る姿勢。    B防御側→(左足を下げて)右半前屈立ち+サン・パルモッ・モンチョ・マッキ(双手縦受け)         で受ける(間合い調整)。    C攻撃側→(蹴り足・右足を引き)左半前屈立ち                             +左パカパルモッ・ナジュンデ・マッキに構える(気合)。    D防御側→(下げた左足を元に戻すと同時に)ヘチョ・マッキに構える(気合)。 動作−@攻撃側→防御側の上中段(または上段)の「顎(または、こめかみ)」に右トルリョチャギ         を蹴る。    A防御側→(左足を下げて)右半前屈立ち、       (攻撃側の蹴りの打点の高さに合わせて)サン・パルモッ・モンチョ・マッキで受ける。    B攻撃側→左・上中段(または上段)パンデ・コロ・チャギ(後ろ掛け蹴り)を蹴る(気合)。    C防御側→(右足を大きく後進させて軸足とし、その動きに合わせて左足を引きよせ)            右ティッパル・ソギ(奥足立ち)+パルモッ・テビ・マッキ(双手対比受け)、    反撃→(身体を左側にひねって右肩を攻撃側に向け、右裏拳に左手を添え、瞬時に踏み込んで)        キョチャ・ソギ(交差立ち)、       +(攻撃側の「人中」めがけて)トゥン・チュモッ・アッテリギ(裏拳添え打ち、気合)。 9)中級応用約束組手9番(紫帯教程) 準備−@防御側→ナラニ・ソギ    A攻撃側→トラ・ヨッチャ・トゥルキ(後ろ横前蹴り)を防御側の「みぞおち」に向けて蹴る         姿勢。    B防御側→(右足を下げて)左半前屈立ち        +サン・ソンパダッ・ネリョ・マッキ(双手掌底下ろし受け)で受ける(間合い調整)。    C攻撃側→(蹴り足・右足を引き)左半前屈立ち                             +左パカパルモッ・ナジュンデ・マッキに構える(気合)。    D防御側→(下げた左足を元に戻すと同時に)ヘチョ・マッキに構える(気合)。 動作−@攻撃側→(左足を右横に並行に移動させて軸足とし)右トラ・ヨッチャ・トゥルキを蹴る。    A防御側→サン・ソンパダッ・ネリョ・マッキで受ける(左足軸足・右足後進、左半前屈立ち)。   B攻撃側→左・上中段(または上段)ネリョチャギを蹴る(気合)。    C防御側→(左足を左斜め後ろ45°程度引いて軸足とし)左クブリョ・ソギ(片足立ち)          +パルモッ・テビ・マッキ、      反撃→(浮かせている右足で)右・上段(または上中段)ヨッチャギ(気合)。          その際、攻撃側に蹴りが届かないと判断した場合、                       蹴ると同時に、軸足・左足をスライドさせる。 10)中級応用約束組手10番(紫帯教程) 準備−@防御側→ナラニ・ソギ    A攻撃側→右パンデ・トルリョチャギ(後ろ回し蹴り)を防御側の中段(または上中段)         「肋骨(または顎)」に向けて蹴る姿勢。「こめかみ」は狙わないこと。    B防御側→ナラニ・ソギのままで、攻撃側の蹴り足を支える。    C攻撃側→(蹴り足・右足を引き)左半前屈立ち                             +左パカパルモッ・ナジュンデ・マッキに構える(気合)。    D防御側→(下げた左足を元に戻すと同時に)ヘチョ・マッキに構える(気合)。 動作−@攻撃側→(左足を右横に並行に移動させて軸足とし)右パンデ・トルリョチャギを蹴る。    A防御側→(左足を大きく後進させて軸足とし、右足を引きよせて、蹴りをかわし)             左ティッパル・ソギ+パルモッ・テビ・マッキ。   B攻撃側→左・上中段(または上段)ネリョチャギを蹴る(気合)。    *中級9番同様    C防御側→(前足・右足の中足を、左足の前方左横に)回転移動して、攻撃側の蹴りをかわし、      反撃→(右足の踵をつけて軸足とし)左・中段トラ・ヨチャギ(気合)。          その際、攻撃側に蹴りが届かないと判断した場合、                       蹴ると同時に、軸足・右足をスライドさせる。