2007年7月 理事会通信 |
(公開可能議題) 蹴美7Willルールの「悪用」の防止 <提出者 武田敬之> 第10回東京都テコンドー選手権大会における 第18回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会予選会・1部組手で、 蹴美7Will審判を務めましたが、 自分なりにかなり迷いが生じました。 何故かというと、本来、求められる相手を倒すための蹴美ではなく、 蹴美7Willのポイントを得るためだけの蹴りが見受けられました。 一応、蹴りは、上段にはとどいているのですが、 ただそれだけのことであり、 厳密に言うと、美しく威力のある蹴り=蹴美ではないように思われます。 ルールの「悪用」を防止すべく、 この際、より明確な蹴美7Willの裁定基準を作っていただけないでしょうか。 <河> 具体的に言うと、趙対上田戦だね。 <武田> そうです。 <河> そのことは私も観じていた。 私が問題だと思ったのは、蹴美ポイントが7に達した後、 時間を稼ぐだけのクリンチや逃げ等が極端に多くなった点で、正々堂々の戦いではなかった。 ただ、ルールの「悪用」は、趙対上田戦以外は、なかったと思うがどうだろうか? 盛島理事は、どう思うか? <盛島> そうですね。それ以外の試合ではなかったと思います。 私も武田理事の意見に賛成です。 <河> 了解した。 ただ、本来、主審は、選手が「逃げの姿勢」を見せた際、 蹴美ポイントを減殺する権限があるので、 関西大会以降は、主審権限を徹底化する あわせて蹴美7Will審判自身も、 露骨な逃げの姿勢、たとえば、7に達した時点で、 殆ど攻撃しなかったり、 クリンチばかりしたり、 後進ばかりすることで、 残りの試合時間を消費しようとする「ルールの悪用」を認識した場合、 すでに獲得した蹴美ポイントを減殺するということで、当面は対処したいがどうだろうか。 柔道にも、積極的に攻撃しない場合、「指導」というものがある。 打撃系のプロの試合、たとえばK−1にもある。 また、蹴美の審判は、現役時代に「蹴美の名選手」であったことが絶対条件だと考えている。 そうでないと選手が、その裁定に服さないからだ。 「蹴美の名選手」というのは、回し蹴りの名選手を意味しない。 踵落とし蹴り、後ろ横蹴り、飛び後ろ横蹴り、後ろ回し蹴り、飛び蹴り等の JTAの伝家の宝刀ともいえる打撃系武道における大技の名選手、 と私は理解している。 となると、回し蹴りが果たしてJTAが目指す蹴美なのか? という疑問が生じる。 回し蹴りの名手は、空手界に溢れるほど存在するからである。 後発武道である我がJTAが、 100年以上の歴史をもち、500派以上の流派がしのぎを削っている空手王国・日本で 回し蹴りを流派の特長とみなして力を注ぐには客観的に無理がある。 回し蹴りを軽んじるわけではない。他流試合には不可欠な技である。 だが、JTAに入門する人々は、回し蹴りを習得するために入門するわけではないので、 JTAの最高峰というべき全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会に選抜される選手は、 踵落とし蹴り、後ろ横蹴り、飛び後ろ横蹴り、後ろ回し蹴り、飛び蹴り等の名手でなければならない。 予選もしかり。 ゆえに、第18回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会前に、 回し蹴りを蹴美7Willのポイント対象から除外する方向(飛び回し蹴りは加点する)で、 より明確な基準を創造したい。 回し蹴りの得意な選手は、一本勝ちや技あり勝ちを狙えば良いであろう。 <武田、盛島> 宗師範に一任します。 <結論> 第5回関西大会以降、蹴美7Willの「ルールの悪用」を防止するため、 1,選手が「逃げの姿勢」を見せた際、 蹴美ポイントを減殺する主審権限を徹底化する。 2,同様の権限を蹴美7Will審判自身にもあたえる。 3,「逃げの姿勢」とは、蹴美7Willの7ポイントに達した選手が、 残りの試合時間を消費するためだけに、 @攻撃しない行為 A頻繁なクリンチ B頻繁な消極的な後進 Cその他消極的試合態度 をしていると主審または蹴美7Will審判が認識した場合をいうものとする。 4、第18回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会前に、今よりもより明確な蹴美7Willを創造する。 |