2008年1月 理事会通信


(公開可能議題1) 第19回全日本大会における蹴武の型試合の試験的実施

<提出者 河明生>
          2007年1月の理事会において蹴武の型の創造・普及を提案した。
          当初は、「10年かけて創造・普及」を目標としていたが、
            7級→ 前蹴りの型    = 南洲
            6級→ 回し蹴りの型    = 青淵
            5級→ 横蹴りの型     = 龍馬
            4級→ 後ろ横蹴りの型 = 武蔵
            3級→ 後ろ回し蹴りの型= 謙信
            2級→ ひねり蹴りの型  = 清衡
            1級→ 踵落としの型    = 義家(3月披露)
          が創造され、南洲〜 謙信は、ほぼ1年で定着した観がある。

          旧型は、手技中心という意味で空手の型(とくに松濤館)に近かった。
          だが、新しく創造された蹴武の型は、
          その名称通り、蹴り技中心であるため、予想以上にJTA会員に歓迎された。
          とくに、もともと組手よりも型を好む層に歓迎され、
          彼らが中心となって急速な普及をもたらしたと考えられる。

          わが日本テコンドー協会(JTA)は、
         @全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会で
          「テコンドー界最強選手」を輩出する蹴武の武道団体であり、
         AK−1等のプロ格闘技へ優秀な選手を送り出すことが可能な実力派の格闘技団体であり、
         Bそれと同時に、基本稽古や型等の伝統的な稽古体型を通じて
          克己や礼儀礼節等の精神修行を重視する人々によって構成される武道団体でもある。

          JTAに限らず武道団体には、Bの層が最も多い。
          とすると、Bの層に属する会員にも、
          「全日本大会」という大会名を冠した自己実現の場を提供しなければならない、
          と考えるに至った。その考えに基づいて昨年から蹴武の型試合を実施した次第である。

         蹴武の型試合を観戦したが、男子も女子も予想以上にレベルが高かった。
         もちろんより一層のレベルアップが必要であるが、
         「全日本大会出場」という目標を与えればさらなるレベルアップがはかられ、
         後楽園ホールでのすばらしい蹴武の型の実演につながり、
         そのことがJTA一般会員へのより一層の蹴武の型の普及・定着に資すると考える。

         「蹴武の型・全日本チャンピオン」を輩出すべく
         全国で最もレベルの高い4名の有段者を選抜し、
         第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会で蹴武の型試合を実施したい。
         将来は、有段者・少年少女部の蹴武の型試合も実施したいと希望している。

<意見 盛島一盛>           
         成年の場合、リングでは狭いのではないでしょうか?
         とくに武蔵は難しいと思いますが。 

<回答 河>
         それは私も危惧していた。
         蹴武の型によっては、難しいものもあろう。
         けれどもそれは将来、
         現在創作中の蹴武の型・有段者篇が完成すればクリアできる問題である。
         そこでどうだろうか、
         第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会において
         試験的に有段者・蹴武の型を実施し、
         そのレベルを参考にした上で、
         第20回以降の全日本大会で継続するか否かを判断するというのは。

<盛島>           
           それならば賛成します。

<結果>      
       第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会で試験的に有段者・蹴武の型を実施する。


(公開可能議題2) 新規全日本大会予選会・第1回中国・四国テコンドー選手権大会の実施

<提出者 河明生>
         現在、わが全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会への選抜選手は、
         神奈川勢が中心で他の地方を圧倒している。
         優勝者も、6年連続で神奈川勢である。女子もほぼそういう状況にある。

         しかし、それはおかしなことではない。
         私は、常に、歴史から学ぼうとしている。
         たとえば、27年程以前、漫画『空手バカ一代』や『地上最強のカラテ』等による
         極真ブームの際、極真会館の全日本大会には明確な予選もなく、
         出場していたのは、池袋の総本部の選手が中心で、優勝者もほぼ総本部が独占した。
         やがて総本部出身の有段者が引退して、全国に散らばり、
         支部を新規で立ち上げ、それが漸次変化したのだが、
         私の古巣の東京城南支部とライバルだった東京城西支部等の東京勢が主流で 
         優勝者もこの二つの支部から交互に輩出する状況だった。
         やがて地方支部から優秀な選手が輩出され、今日に至ったという歴史がある。

         「一を知って二を知らない」人々は、常に、「今しか」見ようとしない。
         だいたい表面的にみえる「成功」だけで驚いたり、評価したりする。
         その逆の場合、ケチをつけるか、バカにする等が関の山だ。
         これは、コンプレックスの裏返しだ、と私はみなしている。

         しかし、「一を知って十を知ろうとする人」は、
         歴史から成功および失敗の法則性を学ぼうと努力する。
         JTAは、トップである私を含め、「一を知って十を知ろうとする」努力を怠らず、
         過去の成功事例・失敗事例から法則を学びたいと希望している。

         わがJTAは、「テコンドー界の極真」を目指している。
         時代背景は異なれど、極真空手の成功法則(分裂の失敗法則も)は、参考にすべきである。

         極真の成功法則の一つは、地方支部の創立にともなう地方大会の実施、
         なかんずく全日本大会の予選会を実施した点にある。
         これは極真だけに限らないが、柔道や剣道等は、今の指導層が生まれる前から全日本大会へ
         の仕組みが出来上がっており、NHKや新聞等による試合結果の放送・報道はもとより、
         試合会場確保一つにしても、県立武道館等を優先的に借りられるという手厚い国家的保護が
         あることを考慮すると、それがまったくなかったのに成長した極真空手の歴史から学ぶこと
         は、同じ打撃系武道としては一定の合理性がある、とみなしている。

         以上により、中国(岡山等)および四国(高知等)地域の支部から、
         将来の「全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会王者」を輩出すべく、
         全日本大会の予選会である「中国・四国テコンドー選手権大会」を新規に創設したい。

         ただし、当分は、既存の岡山大会と同時開催とする。
         すなわち全日本大会予選会の一部組手および蹴武の型の試合は、
         「中国・四国テコンドー選手権大会」とし、
         従来実施されていた二部と三部の試合は、「岡山県テコンドー選手権大会」とする。

         将来は、「中国・四国テコンドー選手権大会」を
         「中国テコンドー選手権大会」と「四国テコンドー選手権大会」とに分離する予定である。

<結果>      
       第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会の新規予選会として、
       第1回中国・四国テコンドー選手権大会を実施する。